展示内容

ふるさとのおいたち

黒鉱は今から1300万年ほど前の海底火山活動で造られ、小坂鉱山を盛んにした鉱石です。その黒鉱の成り立ちとともに、火山活動によって生まれた十和田湖や小坂の大地の形成を、標本や模型・映像を使って明らかにします。

また、小坂の大地により育まれた縄文・弥生時代から古代までの人々の生活と、貴重な発見として知られる小坂環状列石(ストーンサークル)を、土器や石器・レプリカで紹介しています。

 

 


まちの近代化を支えた小坂鉱山

 

小坂鉱山は、盛岡藩営・官営時代、藤田組経営時代を経て、まちの近代化を支えてきました。官営時代には大島高任(おおしまたかとう)やクルト・ネットーによってヨーロッパの進んだ技術が導入され、藤田組時代には黒鉱自熔製錬法の完成と露天掘によって、銀山から銅山に生まれ変わり日本三大銅山として大きく発展しました。

鉱山の近代化によって、町には社宅が建設され、水道や電気・鉄道や病院・芝居小屋「康楽館」も整い、鉱山町小坂が形造られました。その発展の歴史と文化を、ジオラマや文書・映像などで紹介しています。

江戸時代の小坂は郡内各鉱山へ食糧や資材を供給する所でしたし、文化6年(1809)におきた砂子沢鉱山の一揆でもわかるように、鉱山とかかわりをもって生活していました。明治維新を迎える頃は、「鬱蒼(うっそう)たる森林にして弧兎(こと)の巣窟(そうくつ)に過ぎず」(鹿角志)の状況でしたが、小坂鉱山の興盛とともに発展し、明治の末には秋田市に次ぐ県下第二の町としてにぎわいました。

 

魅力あふれる自然の秘密

地質時代の躍動する大地によって、小坂には特徴ある生物社会が作られました。それは白地山の湿原やブナ林などの美しい自然と、火山灰に影響された特徴ある自然でした。その様子を、標本や写真などで紹介しています。

また、鉱山の煙害によって、緑のない褐色の裸地となった鉱山周辺の自然が、ニセアカシアの植林によって再生した様子を、十和田湖畔広葉樹林と比較しながら、ジオラマで再現しています。

屋外展示場

屋外展示場には「鉱山の文化=光と水と交通」をテーマに発電所棟、水道共用栓モニュメント、小坂駅舎を設置し、発電の歴史、上水道の歴史、などを紹介しています。

平成25年度まで展示していた「貴賓車及び蒸気機関車」(秋田県指定有形文化財)と「ディーゼルカー(キハ2101)」は、小坂鉄道レールパーク車両展示場に移設されました。

この記事に関するお問い合わせ先

総合博物館「郷土館」

〒017-0201
秋田県鹿角郡小坂町小坂字中前田48-1
電話番号:0186-29-4726
ファックス:0186-29-2207

更新日:2021年01月13日