(1)地域のバイオマス利活用方法
小坂町ではこれまで町内の生ゴミは週2回の収集を定期的に行い、隣接する鹿角市との広域行政組合による焼却処理施設で処理してきたが、平成17年度からは資源循環型社会を構築することを目的に、「土に環るものは土にかえし、土に環らないものは再資源化する」こととし、町中央地区の生ゴミは町内大規模養豚施設からの家畜排せつ物をたい肥化している処理施設に組み入れ、生ゴミの収集・肥料化を推進していく予定である。
また、当町内では水田454haのうち147haが生産調整されているが、その中で自己保全や牧草作付となっている84haについては、実質未活用状態にある。これらの遊休農地等の有効利用が当町農政の大きな課題であり、本構想では地形及び排水性等の条件を考慮し、菜の花栽培の作付目標面積を30haとして、a)遊休農地等の有効活用、b)農家の所得向上と「やる気」の創出、c)農地・環境の保全等を目的に、資源作物である菜の花を作付けし、農作業機械に必要なエネルギーの地域内循環等自己完結型のバイオマスの利活用による域内農業の活性化を図る。

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a) 地域のバイオマス収集・輸送・変換・利用の各段階の取組内容・方法や導入技術 |
《生ゴミの堆肥化について》
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1.生ゴミの収集 |
<一般家庭&事業所>・・・町中央部31地区(世帯数1,500戸 4,000人)150カ所から専用バケツで週2回収集
<公共施設>・・・生分解性プラスチック袋にて週6日回収 |
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2.生ゴミの運搬 |
分別された生ゴミを収集車により堆肥化施設へ運搬 |
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3.生ゴミの堆肥化 |
畜糞堆肥との混合発酵により堆肥化 |
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4.肥料の活用 |
資源作物用肥料及び町営農園で活用 |
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5.その他 |
農村地区はコンポスター(1/3を補助)による堆肥化(自家処理) |
《資源作物利活用について》
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1.遊休農地等への菜の花作付&菜種収穫 |
景観作物として奨励されている菜の花を遊休農地等において作付する搾油した菜の花油を健康食品として普及しながら、菜種粕を町営農園及び家庭用園芸肥料として利活用を拡大し一般家庭に普及 |
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2.廃食油の回収&燃料化 |
平成14年から継続している廃食油の回収システムを拡大し、燃料化したBDFを農耕用機械に活用するなど、バイオマス資源の利活用を通じた環境に優しい農業の構築を図る。 |
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b) 定量的なバイオマスフローやエネルギー収支などの利活用の全体像 |
《生ゴミ処理》
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1.生ゴミ回収量(V)=270t |
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→ |
→ |
→ |
→ |
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生ゴミからの堆肥生産量(V)=27t |
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↑ |
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↓ |
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一般家庭による消費 |
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資源作物及び果樹等 |
← |
資源作物&農園用肥料 |
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2.生ゴミ自家処理量(V)=103t → 生ゴミからの堆肥生産量(V)=10t |
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《資源作物利活用》
1.搾油量(V)=18,000リットル ← 活用休耕田面積(A)=30ha
2.廃食油回収量(V)=18,000リットル ← 廃食油賦存量(V)=18,430リットル
(一般家庭:2回/月町内5箇所、事業所:1回/週町内5事業所 の回収)
3.BDF変換量(V)=18,000リットル ← メチルエステル交換
※町内全水田稲作に必要な燃料(軽油)の50%をカバー
300ha×120リットル/ha×50%=18,000リットル
4.菜種粕(V)=24,000kg → 果樹農家・町営農園・家庭菜園等で活用
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c)必要となる施設の概要 |
1.生ゴミ堆肥化施設・・・既存の畜糞堆肥化施設を利活用する予定
2.搾油・油粕肥料生産施設・・・作業場及び倉庫,搾油機,精油機 他
3.BDF製造施設・・・作業場及び倉庫,製造プラント他
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d)変換に伴って発生する残さの処理方法 |
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グリセリン→ボイラー燃料 |
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(2)バイオマスの利活用推進体制
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a) 地域の協議会等の推進体制 |
1.菜の花作付農家グループ
2.集落営農組合
3.農業法人「十和田湖樹海農園」
4.小坂町自治会総連絡協議会
5.女性団体連絡協議会
6.JAかづの
7.小坂町
以上六者による協議会を構成し、バイオマス利活用の推進を図る。 |
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b)地域の協議会等の推進体制関係者間の役割分担 |
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1.菜の花作付農家グループ |
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・遊休農地等への菜の花作付 |
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2.集落営農組合 |
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・菜種収穫&乾燥調整→汎用コンバイン・乾燥機所有農家へ委託
・菜種の搾油・精製→乾燥調整された菜種を圧搾法により搾油・精製
・菜種油・油粕の販売→菜種油は一般家庭及び町内公共施設等に菜種粕は良質有機肥料として一般町民に販売 |
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3.農業法人「十和田湖樹海農園」 |
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・廃食油の回収は平成14年より継続している回収システムを発展させ、町内一般家庭及び事業所から回収(1,500リットル/月)
・回収した廃食油よりBDFを精製する(1,500リットル/月)
・BDFは、農作業用機械の化石燃料代替燃料として農家へ販売 |
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4.小坂町自治会総連絡協議会 |
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・菜の花資源循環システムへの協力 |
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5.女性団体連絡協議会 |
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・菜種油の購入&使用及び廃食油回収について消費者としての提言
・地域全体への広報 |
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6.JAかづの |
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・菜の花栽培技術指導 |
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7.小坂町 |
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・菜の花循環システム推進主体
・資源循環型社会構築に対する住民への啓発・啓蒙
・廃食油回収システムの構築
・農業機械へのBDF普及
・搾油システム及びBDF製造システムの導入及び施設整備 |
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(3)取組工程 |
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平成17年度 |
バイオマスタウン構想策定
循環型社会構築啓蒙活動の展開
菜の花作付農家の組織化及び搾油体験の実施
モデルほ場での作付
BDF製造体験等の啓蒙イベントの開催
廃食油回収規模の拡大 |
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平成18年度 |
集落営農組合の組織化
廃食油回収・BDF製造実施主体の決定
菜の花作付田圃の拡大
菜の花開花イベントの開催
収穫体験イベントの開催
搾油体験の実施
BDF製造デモの実施
廃食油回収規模の拡大 |
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平成19年度 |
搾油設備及びBDF製造設備の導入
菜の花作付田圃の拡大
搾油・BDF製造の開始
菜種油・BDFの試用実施 |
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平成20年度 |
菜の花循環システムの本格始動 |
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(4)その他 |
「菜の花資源循環システム」を町内で確立するには町民の深い理解と協力が不可欠であるが、必要なことは環境問題及び資源循環型社会構築のために行動を起こすことである。
町内では厳しい農業情勢のなかでも「担い手育成基盤整備事業」によるほ場整備事業に町内3地区(A=97ha,129戸)が取り組み、新しい集落営農を模索している。
「菜の花資源循環システム」は遊休農地等を活用した菜の花のもつ景観美及び地球温暖化防止への寄与等、農業の未来に夢を託せるものとして、この集落営農を主体に一般町民・消費者を含む地域内システムの確立を目指すものである。 |